ワンちゃんとネコちゃんの間で感染が広がりやすく、
とても重篤な症状になってしまう怖い病気を予防します。
ワンちゃんやネコちゃんが感染しやすい病気はいくつかありますが、そのうち深刻な症状を引き起こすものはワクチン接種で防ぐことができます。予防は、うちのコを守るだけでなく、まわりのコたちをいっしょに守ることにつながります。
ワンちゃんの予防
1.狂犬病ワクチン
人間にも感染し、発症したら救う手だてがほとんどない怖い病気です。そのため、ワンちゃんへのワクチン接種が法律で義務付けられています。日本では1957年に根絶していますが、近年のグローバル化によりいつ入ってくるかわかりません。
実際に近年でも海外で感染して日本に帰国してから発症した例もあるため油断せず、きちんと毎年接種を受けましょう。なお、ワクチン接種が終わったら市区町村への登録を行う必要があります。市町村から狂犬病ワクチン接種のお知らせが届いている場合には、そちらをご持参ください。
2.混合ワクチン(5種・6種・8種)
感染すると短期間で死亡してしまうこともあるウイルス性の感染症を予防する注射です。こちらもワクチンの効き目は約1年ですので、毎年受けるようにしましょう。
また、生後半年未満のうちはお母さんからもらった免疫が少し残っている状態なので、それがいつ切れても予防できるよう2回の接種を行います。混合ワクチンのうち、8種は山や湖などへ旅行に行くワンちゃんにおすすめしています。
3.フィラリア症予防
フィラリア症は蚊が媒介し、ワンちゃんの心臓や肺の中に細長い虫が寄生する病気です。感染して症状が現れたら完治することは不可能ですが、予防することで100%防ぐことが可能です。
蚊に刺されることで感染するため、蚊が発生する5月~11月に予防を行います。なお、フィラリア症の予防はもし感染していたら行っても意味がありませんので、毎年最初の予防の前にフィラリア症になっていないか確認する検査を行います。
ネコちゃんの予防
最近では完全室内飼いのネコちゃんも増えていますが、それでも伝染病に感染してしまうケースは少なくありません。というのも、ネコちゃんの伝染病の中には、個体同士の接触がなくても唾液などを通じてうつるものがあり、完全に防ぐことが難しい場合があるからだと言われています。
また近年になって、ネコちゃんもフィラリア症に感染することがわかってきています。当院では、ネコちゃんのフィラリア予防にも対応しています。
1.混合ワクチン(3種、5種)
完全室内飼いのネコちゃんには、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症を予防する3種をおすすめしています。ネコちゃんの場合、多くの感染症で鼻が利かなくなることがあり、匂いで食べられるかどうか判断するネコちゃんにとって大きなダメージになります。
食欲がなくなると回復も思うようにいきません。ワクチンの効き目が約1年ですので、毎年受けるようにしましょう。また、生後半年未満のうちはお母さんからもらった免疫が少し残っている状態なので、それがいつ切れても予防できるよう2回の接種を行います。
2.フィラリア症予防
最近の動物医療の研究で、ネコちゃんにもフィラリア症が感染することがわかってきています。ネコちゃんの場合、検査してもなかなかフィラリアだとわからないケースが多いのですが、突然死の原因のひとつになっているとの報告がいくつもあります。マダニなどといっしょにフィラリア予防ができる滴下タイプの予防薬もありますので、お気軽にご相談ください。
ワンちゃんとネコちゃんのノミ・マダニ・寄生虫の予防
当院では、ワンちゃんやネコちゃんにつくノミやマダニ、寄生虫などの駆虫や予防を行っています。特にマダニに関しては、地球温暖化の影響もあってこれまで日本ではあまり発生しなかった病気を媒介するケースも増えてきています。
大切なワンちゃん、ネコちゃんだけでなく、ご家族みなさんの健康を守るためにも、定期的な予防をおすすめしています。ワンちゃんでは月一回のおやつタイプのお薬や一回の投薬で3ヶ月効果のあるお薬、ネコちゃんでは月一回、背中に垂らすスポットタイプのお薬など便利な予防薬も増えていますので、一度ご相談ください。